抄録
東洋医学における疾病の理解は複雑系である生体を虚実という概念で捉えているが、これに影響を与え疾病を引き起こす五行リズムと生体全体との関係を示すモデルは未だ構築されていない。そこで本稿では、五行に起こるリズム異常の経過のうち虚邪と実邪についてモデル化することによって、五行リズムと生体統御機構との関係を検討することとした。
その結果、五行の変化は常に全体に投影されており、この両者の制御機構が破綻することによって疾病が発生するというモデルを構築することができた.これにより、疾病の治療に当たっては疾病の五行的性質だけなく、その経過時期や患者の全体像を充分に考慮する必要があることが示唆された。