日本航空學會誌
Online ISSN : 1883-5422
地上滑走中の飛行機の平衡性及び安定性に就て
近藤 政市
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1935 年 2 巻 7 号 p. 934-974

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抄録
飛行機の地上滑走の場合は降着裝置の設計上大變重要な場合である.降着裝置の強度は着陸衝撃の負荷から精確に計算し得るが,降着裝置を如何に配置するかは現在は設計者の適當なる判斷に俟つてゐる状況である.著者は地上滑走中の平衡性及び安定性こそ降着裝置の配置決定の理論的根據を與へるものと考へ,之を調査研究してみたのである.又この平衡性及び安定性は地上滑走中の飛行機の顛覆の危險性と關聯するものである.
本論文は,最初に精確な理論を以て平衡性及び安定性(無加速状態)を研究し,次に實用に便する樣に簡單なる公式(加速状態)を導出したものである.實際家に最も必要な結論は,離着陸滑走中の平衡性は(8a), (8b)式に依り,その安定性は(11b)式に依り簡單に檢査し得る點である.
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© The Japan Society for Aeronautical and Space Sciences
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