日本気管支研究会会報
Online ISSN : 2433-0078
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論文 4 結核性気管支狭窄の診断と治療(気管支狭窄の診断と治療)
石原 恒夫
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1979 年 1 巻 p. 37-39

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抄録

結核性気管支炎の炎症が気管支軟骨にまで波及すると、気管支軟骨の変性がおこって、気管支炎が治癒したあとに狭窄がのこり、これが感染の原因となって末稍肺は炎症を繰返し、やがては荒廃を招くようになる。したがって主気管支の炎症にもとずく瘢痕狭窄は末稍肺に不可逆性の変化を来たす前に外科的に治癒することが望ましい。しかし、結核性気管支炎の病変の拡がり、程度の診断は必ずしも容易ではない。特に炎症が完全に消裾して瘢痕治癒したものか、活動性病変がなお一部に残存しているかの診断は治療成績を左右するものであるが、その診断はしばしば推測の域を出ない。結核性気管支狭窄の診断と治療の難しさを物語るものであろう。

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© 1979 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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