抄録
深部静脈血栓症 (DVT) 予防における看護師の役割は, 患者への説明, 予防措置の実施, DVTおよび肺血栓塞栓症の早期発見と対応等である. 当院においての予防の取り組みは, 集中治療室で始まった. 集中治療室入室患者は, 予防措置が必要なリスク患者が72% (N = 109) を占めた. そこで, 予防措置の禁忌患者以外すべての患者に間欠的空気圧迫法を中心とした予防措置を実施した. その後, 病院全体の問題として, 予防マニュアルを作成した. 今後の課題は, DVT予防の重要性認識のための教育, 予防措置にかかわる未解決問題を解明する臨床研究, 予防措置にかかわる新たなリスクを見極め, 安全に予防措置を行う看護ケアの検討, 予防措置の効果測定の実施等である.