6時間を超える開腹手術において, 細胞外液補充液を無作為に2群に分け, Mg非配合群 (ヴィーン® F) 16例とMg配合群 (フィジオ® 140) 14例について, 血液生化学検査を経時的に計測した. イオン化Mgは, Mg非配合群で経時的に低下したが, Mg配合群ではその低下が有意に抑制された. ClはMg配合群で手術開始6時間後に高値となり, 両群間の変化に有意差が認められた. 出血量, 輸血量, 輸液量, 尿量は両群間に有意差はなく, Mg非配合群ではイオン化Mg低下率は総輸液量と有意な相関が認められた. 2mEq・l -1 のMgを含有した細胞外液補充液の術中使用はイオン化Mgの低下を抑制するために有用である.