2005 年 25 巻 1 号 p. 8-12
1993年から10年間の症例を対象とし, 小児の硬膜外麻酔における局所麻酔薬中毒 (局麻薬中毒) について調査・検討した. 局麻薬中毒を17例 (手術室9例, 病棟8例) に認めた. 使用薬剤は全例メピバカインであった. 発生17例に対して気道保持, 酸素投与, 抗けいれん薬投与などで対処し, 神経学的後遺症を残さなかった. 局麻薬中毒の主たる原因は, 局麻薬の血管内注入によるものではなく, 局麻薬の過量投与・長時間投与によるものと考えられた. 小児の硬膜外麻酔で局麻薬中毒を防止するには, 局麻薬が過量にならないよう適切な量を投与することが必要である.