2005 年 25 巻 1 号 p. 18-21
再発した卵巣腫瘍の切除術中にカルボプラチン, マイトマイシンCを腹腔内投与した直後, アナフィラキシー反応を呈した症例を経験した. リンパ球刺激試験ではカルボプラチンが陽性であった. カルボプラチンは投与回数に伴い, 過敏性の発現率が増加するとの報告がある. 本症例は手術前にカルボプラチンを腹腔内に1回, 静脈内に9回投与されていた. 術前よりカルボプラチンを複数回投与されている場合には, 手術中の腹腔内投与によりアナフィラキシー反応を引き起こすことがあり, 注意が必要である.