抄録
TCI (target-controlled infusion) や, 効果部位濃度を指標とした麻酔管理法は, 現在広く普及している. 本年発売されたレミフェンタニルは効果の発現・消失が速やかで蓄積性がないため, 薬物動態学に基づいた麻酔管理を行ううえでも利点は多い. 持続投与中に効果部位濃度は一定となるため, 知らずしてTCIを行っている場合がある. 効果部位濃度を規定する因子は除脂肪体重と年齢であり, 具体的な条件を提示し薬物動態シミュレーションを用いて解説する. また, レミフェンタニルの利点と落とし穴を概説し, TCI投与法およびTCI的投与法を紹介する.