日本臨床麻酔学会誌
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症例報告
硬膜外カテーテルが胸腔内に誤挿入された1症例
鈴木 尚志竹島 亜希子江花 泉世良田 和幸
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2008 年 28 巻 3 号 p. 453-456

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抄録

  硬膜外カテーテルが胸腔内に誤挿入された症例を報告する. 71歳, 女性. 147cm, 58kg (BMI 27kg/m2) . 食道癌のために胸腔鏡補助下食道切除術が硬膜外麻酔併用の全身麻酔下に予定された. 第6・7胸椎間から傍正中法で挿入したカテーテルの胸腔内留置が胸腔鏡下に発見されたので抜去した. 有害事象は生じなかった. 自験例を含めた硬膜外カテーテルの胸腔内誤挿入11症例の報告を検討した. 10症例は開胸術ないしは胸腔鏡下手術の術中に発見された. BMIが算出できた8症例中の6症例は肥満 (BMI≧25kg/m2) であった. X線造影を用いた研究では, カテーテルの胸腔内誤挿入はまれではない. 胸部手術以外でも, 未診断の誤挿入はしばしば発生していると推測する.

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© 2008 日本臨床麻酔学会
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