2008 年 28 巻 3 号 p. 480-489
エホバの証人は命を大切にしており, 命を長らえるために, 道理にかなった取り組みを積極的に行う. そのため, 良質の医療を求め, ほとんどの医療処置を受け入れる. しかし, 聖書に基づく宗教上の理由から, 同種血輸血は受け入れず, 無輸血で行われる代替療法を求めている. その立場が医学的な面からも法律的な面からも道理にかなったものと言える理由を考察する. 未成年者に対する医療が問題となるが, 判断能力のある未成年患者であればその意思を尊重すべきであり, 判断能力がないのであれば基本的には親権者の意思が尊重されるべきである.