日本臨床麻酔学会誌
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—日本臨床麻酔学会第27回大会 パネルディスカッション—産科麻酔スタンダードおよび産科との接点
周産期救急の現状とその麻酔対策
入駒 慎吾小久保 荘太郎
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2008 年 28 巻 5 号 p. 757-764

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抄録

 周産期医療を取り巻く環境は, 最近大きく変化している. さまざまな報道により, 国民の間にも周産期救急医療の重要性が認識され始めた. このことは周産期医療の集約化を後押しする力となり, われわれ麻酔科医は周産期救急医療に一層貢献できるようになる. 周産期救急は大きく母体救急と胎児救急とに分けられる. 母体救急には大出血への対応, 痙攣あるいは塞栓等があり, 胎児救急には超緊急帝王切開術等がある. 大出血への対応力や麻酔導入の迅速性は, まさに麻酔科医の得意とするところであろう. しかし, 麻酔科医が帝王切開術の麻酔管理を行っているのは全体の30%にも満たない現状がある. まずはここから変えていかねばならないと考える.

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© 2008 日本臨床麻酔学会
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