日本臨床麻酔学会誌
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第14回硬膜外麻酔研究会
最近の麻酔メカニズム仮説から考える全身麻酔
眞下 節高橋 亜矢子
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2009 年 29 巻 1 号 p. 78-84

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抄録

  全身麻酔は意識消失, 不動化, 鎮痛などさまざまな要素が組み合わさった現象である. 近年の麻酔メカニズム研究では, 麻酔薬は神経細胞表面の受容体蛋白質に作用し, その効果を発揮すると考えられている. 神経細胞にはさまざまな受容体蛋白質が存在するが, その中でも特にGABAA受容体は麻酔メカニズム研究の中心的存在である. 最近, GABAA受容体を介する抑制性電流にはPhasic電流とTonic電流の2種類が存在することが明らかにされ, 特にTonic電流は麻酔メカニズムの新しいターゲットとして非常に注目を浴びている. 本稿では, Tonic電流を含むGABAA受容体を中心とした麻酔メカニズム研究の新しい知見についてまとめる.

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© 2009 日本臨床麻酔学会
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