成人発症 II 型シトルリン血症に対する生体部分肝移植術の麻酔を経験した. SLC25A13遺伝子の異常により診断が確定した. 主訴は突然の意識障害で, 術前は分枝鎖アミノ酸製剤の投与で改善した. 麻酔はミダゾラム, フェンタニル, ベクロニウム, イソフルランを使用した. 術中の高アンモニア血症の予防として, 分枝鎖アミノ酸製剤を投与した. また, 術中は高アンモニア血症の早期発見のため, 2~3時間ごとに血清アンモニア値を測定した. 無肝期にアンモニア値が一過性に上昇したが, 再灌流後低下し特に治療は要さなかった. 本症例は肝硬変の合併がなく, 術中出血量は少量であった.