日本臨床麻酔学会誌
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日本臨床麻酔学会第28回大会 教育講演
脊髄くも膜下麻酔—CSEAは脊麻の修飾形?—
高橋 麗子
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2009 年 29 巻 7 号 p. 758-763

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抄録

  脊髄くも膜下麻酔 (脊麻) は, 少量の局麻薬で速やかに確実な麻酔効果を得ることができる. 脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔 (CSEA) は, 脊麻に加えて硬膜外カテーテルを留置し長時間手術や術後鎮痛にも対応できるという硬膜外麻酔 (硬麻) の利点を併せもつ. CSEAには, 一ヵ所穿刺法と二ヵ所穿刺法があり, 薬液の投与法にも種々の方法がある. CSEAの作用機序は, 硬膜外腔に投与された薬液によりくも膜下腔が圧迫されて脊麻の麻酔域が拡大する「容量効果」である. そのため, CSEAは単に「脊麻+硬麻」ではなく, 脊麻を硬麻によって修飾する麻酔法ともいえる. 脊麻, CSEA, 硬麻のそれぞれの特徴を修得し自由に使いこなすことが望ましい.

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© 2009 日本臨床麻酔学会
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