2009 年 29 巻 7 号 p. 764-770
子どもは病気をするものであるが, 病気や医療処置は, 子どもに恐怖, 不安や苦痛を引き起こす. 子どもの親にも同様の不安や苦痛をもたらす. 病気や医療処置に伴う恐怖, 不安や苦痛は, 子どもの年齢や発達段階, 気質やコーピングスタイル (ストレスへの対処法) , これまでの医療処置の経験, 医療関係者や親の態度や言動などによって, 違ってくる. しかし, 子どもの不安や苦痛を理解し, ていねいにかかわることによって, それらをある程度低減することは可能であるし, 苦痛を乗り越えた体験は子どもにとって自信ともなるのである. 子どもとかかわるすべての医療関係者は子どものメンタルヘルスにぜひ関心をもってほしい.