2009 年 29 巻 7 号 p. 890-896
「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案 (厚労省第二次試案) 」に対して日本麻酔科学会としてはワーキンググループ (事故調WG) を立ち上げ, この問題に対処した. 「厚労省試案 (第三次試案および大綱案) 」に対する検討を重ねて行い, 厚労省に対し学会としてのパブリックコメントの原案を作成し, その一方で, 「萎縮医療」, 「たらい回し」をストップするための緊急提言等をテーマに緊急市民公開講演会を日本集中治療医学会期間中 (共催) や日本麻酔科学会学術集会において開催することに協力した. 最も重要なことは, 「患者とともに医療安全を進める」ことであり, 患者・市民の協力・理解なしでは医師・患者の信頼関係の実現はできない. 職能団体として自律規範を制定することも視野に入れて, 「良質な医療を提供する体制の確立と維持」を目指して, この第三者機関が健全に運用されるように, 今後も協力し提案していくことが重要である.