2011 年 31 巻 1 号 p. 074-080
肺動脈カテーテルは心拍出量や循環動態のモニターに広く用いられてきた.しかしその使用によって死亡率は改善せず合併症が増えることが報告され,肺動脈カテーテルに替わって非侵襲的に心拍出量などを測定する手技が開発されてきた.Fick原理を呼気ガス二酸化炭素に応用し心拍出量を計算する部分的CO2再呼吸法,動脈圧波形を解析し一回拍出量をモニターするpulse contour法などである.分時換気量が一定な場合,部分的CO2再呼吸法で求めた心拍出量は信頼できる.Pulse contour法を用いると輸液反応性を予測することができる.