日本臨床麻酔学会誌
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講座
低髄液圧性頭痛(脳脊髄液減少症)について─硬膜穿刺後頭痛,特発性および外傷性脳脊髄液減少症─
橋爪 圭司渡邉 恵介藤原 亜紀佐々岡 紀之古家 仁
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2011 年 31 巻 1 号 p. 141-149

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抄録

  髄膜が破れて髄液が漏れると低髄液圧性頭痛が発症する.代表的なものに硬膜穿刺後頭痛がある.特発性低髄液圧性頭痛(特発性脳脊髄液減少症)は頚・胸椎からの特発性漏出が原因で,造影脳MRI,RI脳槽造影,CT脊髄造影などで診断される.自験ではCT脊髄造影での硬膜外貯留が最も確実であった.むちうち症が髄液漏出であるとの意見があり(外傷性脳脊髄液減少症),RI脳槽造影における腰椎集積が漏出と診断される.われわれはRI脳槽造影とCT脊髄造影を43症例で比較したが,腰椎集積はCT脊髄造影では正常神経根鞘であった.CT脊髄造影を診断根拠とした291症例では,1症例の外傷性脳脊髄液減少症も発見できなかった.

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© 2011 日本臨床麻酔学会
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