抄録
高齢者では慢性関節リウマチや頚椎に疾患をもった患者も多く,挿管困難が予想されることがある.また,高齢者には心疾患など合併症もあり気管挿管時の循環動態の変化には,注意を必要とする.気管支ファイバースコープを用いた挿管の麻酔方法では,意識下または,全身麻酔下で行われる.われわれの施設では,高濃度セボフルランによる麻酔導入維持(VIMA)による気管支ファイバースコープ挿管を行っている.セボフルランを用いた方法の利点は,自発呼吸を温存できる点にあり,低酸素血症になる危険性を減少させ,循環動態の安定にも優れている.本稿ではわれわれが行っている実際の方法を紹介する.