日本臨床麻酔学会誌
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日本臨床麻酔学会第29回大会 シンポジウム ─がん疼痛ケア─より良い鎮痛と全人的ケアを目指して─今,麻酔科医に望まれること,できること─
麻酔科医とがん緩和ケア
上野 博司細川 豊史
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2011 年 31 巻 2 号 p. 250-257

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抄録

  近年,がん緩和ケアの重要性が認識されるようになり,研修医や医学生のなかにも緩和ケアに興味を示す人たちが増えつつある.緩和ケアを志すなら麻酔科医になることが近道である.なぜなら,麻酔科医は外科的侵襲から患者を防御するために,局所麻酔を駆使した鎮痛法や患者に苦痛を感じさせないための鎮静法を身につけており,こうした技術は緩和ケアを行ううえで大きな利点となるからである.また,緩和ケアはその性質上,肉体的にも精神的にも重圧のかかる仕事であり,燃え尽き症候群(Burnout Syndrome)の発症防止も重要課題である.麻酔科医の特性をうまく利用してストレスを回避し,緩和ケアチーム全体で燃え尽き症候群発症の防止策を講じることが必要である.

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© 2011 日本臨床麻酔学会
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