経肺熱希釈法により肺血管外水分量と肺血管透過性係数が測定可能である.肺血管外水分量は,肺水腫の程度・重症度を表わす指標として有用である.ヒト剖検例での妥当性も証明され,統計学的に根拠のある正常値も決定した.さまざまな重症症例での予後との関連が報告され,治療評価項目にも取り入れられている.一方,肺血管透過性係数は,心原性肺水腫と非心原性肺水腫の鑑別・診断に有用であり,治療指針決定や実際の輸液管理に大きなインパクトを与える.輸液管理を考えるうえで,欠かすことのできないこの2つのパラメーターに関して,臨床的意義,妥当性,将来の展望を概説する.