日本臨床麻酔学会誌
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症例報告
Neuropathic Pain Symptom Inventory日本語版を用いて脊髄損傷後疼痛の治療効果を評価した1例
平井 絢子住谷 昌彦冨岡 俊也関山 裕詩山田 芳嗣
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2011 年 31 巻 4 号 p. 685-688

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抄録

  混合性結合組織病(MCTD)の経過中に生じた脊髄炎により脊髄損傷後疼痛に類似した難治性の神経障害性疼痛を呈した患者に対して,ガバペンチンを400mg/日から開始し2週間で2,000mg/日まで短期間に漸増することによりVAS(0-100mm)は70/100から30/100に低下した.疼痛の重症度評価にはVAS以外にNeuropathic Pain Symptom Inventory(NPSI)日本語版も用い,治療前後で38から15に低下した.ガバペンチンを極短期間に漸増することで神経障害性疼痛の治療期間を飛躍的に短縮することができ,NPSIはVASの推移とも並行し,神経障害性疼痛のより詳細な重症度評価に有用と考えられる.

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© 2011 日本臨床麻酔学会
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