2012 年 32 巻 3 号 p. 344-349
術後疼痛管理を麻酔科医単独で全周術期にわたって安全に行うことは容易ではない.チームとしての管理はより効率的な運用を可能とするが,そのためには術後疼痛管理にかかわる全スタッフが共通のマニュアルに従って管理を行う必要がある.岡山大学病院では1996年にPOPSマニュアルを作成し,これに沿った術後疼痛管理を行ってきた.一方,2008年から周術期管理センターを立ち上げ,多職種のチームで周術期管理を行う取り組みを開始している.多忙な麻酔科医のみでは十分でない術後疼痛評価も周術期管理チームで行うことで,麻酔科医の負担軽減のみでなく術後鎮痛の質を高める効果を上げている.