抄録
抗不整脈薬の作用機序はイオンチャネルおよびβ受容体にある.Vaughan Williams分類はその点を単純に分類し,優れた抗不整脈薬の分類法であるが,抗不整脈薬の中にはこの分類法では不十分なものが現われ新たな分類法が模索された.その結果生まれたのが,Sicilian Gambitである.Sicilian Gambitは抗不整脈薬の単なる分類にとどまらず,不整脈の発生機序からその治療法の考え方,さらには抗不整脈薬に伴う副作用の留意点を示したもので,抗不整脈薬の臨床使用において大いに参考になる.