抄録
当院では腰下肢痛患者の腰椎MRI検査において,脊柱管と椎間孔の狭窄度を3段階に分類している.神経根症状を有する下肢痛患者でエピドラスコピーを施行した7例について,腰椎MRIにおける狭窄スコアと硬膜外腔内視鏡所見を比較検討した.その結果,痛みの部位から推定した責任神経根は,硬膜外腔内視鏡上の狭窄・癒着部位と比較的一致していたが,MRI上の最狭窄部位とは必ずしも一致せず,MRIによる責任神経根の特定は困難であった.また,硬膜外腔内視鏡や仙骨硬膜外造影で多くの患者に見られた仙骨硬膜外腔の狭小化や癒着をMRIでは指摘できず,仙椎レベルの術前評価にはMRIより硬膜外造影の方が有用であると思われた.