日本臨床麻酔学会誌
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日本臨床麻酔学会第32回大会 シンポジウム ─痛みの医療における質問票を用いた評価法の有用性と限界─
痛み外来における線維筋痛症迅速検出法:FiRST(Fibromyalgia Rapid Screening Tool)の有用性と限界
荻野 祐一
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キーワード: 線維筋痛症, FiRST, 慢性痛
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2013 年 33 巻 5 号 p. 775-780

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抄録

  FiRST(Fibromyalgia Rapid Screening Tool)は,線維筋痛症(FM)を効率よく検出するために開発され,6項目の「はい・いいえ」で答える簡単な問診から成る.原著者から許可を得たのちFiRST日本語版を作成し,原著と同様に5項目以上陽性(「はい」と答える)をCut-off値とすると,FiRSTの全項目において,FMと他の慢性痛疾患群との群間比較で有意差を認め,感度は100%,特異度は71.6%であった.FiRSTは,線維筋痛症の実体をよく表していると考えられscreening toolとして有用であるが,diagnosis toolとしては力不足である.

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© 2013 日本臨床麻酔学会
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