2014 年 34 巻 1 号 p. 075-080
自己血貯血は待機心臓外科手術において有効な手段とされている.今回,待機心臓手術における術前貯血式自己血貯血の現状を調査し,各施設での実施上の問題点について検討した.開心術実施施設の約半数で術前貯血は実施されていた.貯血基準は各施設で異なり,その基準は曖昧であった.また貯血を行わない理由として,マンパワーの不足などがあげられていた.自己血輸血認定看護師の認知度は低かった.今後の自己血貯血の推進には,貯血体制の充実や臨床の実態に即し,エビデンスに基づいた貯血基準の作成が求められると考えられた.