2014 年 34 巻 4 号 p. 549-555
大量出血に対して,代用血漿剤は循環血液量の維持を目的として投与される.アルブミンより価格が安いが大量投与による副作用が懸念されるため,晶質液とアルブミンによる循環血液量維持のギャップを埋めるために用いることが多い.代謝が速やかで,凝固系への影響の少ない中分子量低置換度のヒドロキシエチルデンプン(HES)製剤が主流である.近年,重症敗血症患者に対して高用量を連日投与した場合,腎機能に対して悪影響があることが示されているが,大量出血に対する蘇生として用いた状況では腎機能に対する悪影響は認められていないことから,蘇生目的に限り,投与上限以下であれば腎機能に対する悪影響の可能性は少ない.