抄録
機械式PCAポンプ(PCA:Patient Controlled Analgesia)の使用は,術後疼痛管理に有効な手法の一つである.PCAの設定調整や記録が可能となる一方,実際の運用には機器,薬剤の準備,患者の状態把握,設定変更,データ管理,トラブル対応など対応事項が多く,多職種が関与したチーム医療が必要となる.当院では,炎症性腸疾患手術後における細やかな疼痛管理を目的として,2009年から機械式PCAポンプを5台導入し運用を開始した.本稿では,機械式PCAポンプの特徴,当院における導入の経緯,各職種の役割,臨床工学技士の役割およびトラブル対応事例,機器管理の必要性について述べる.