におい・かおり環境学会誌
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特集(生物におけるにおい)
線虫を用いて明らかにするにおいの濃度によって嗜好性が変化する仕組み
広津 崇亮
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2016 年 47 巻 1 号 p. 2-9

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抄録

動物のにおいに対する嗜好性・感じ方は常に同じではない.同じにおい物質であっても濃度が変わると,嗜好性が変化する.例えば,インドールというにおい物質は,低濃度のときはジャスミンのような花の香りがするが,高濃度になると糞尿臭がする.このような現象は経験的には知られていたが,高等生物は神経系が複雑であるため解析が難しく,その仕組みの大部分が謎のままであった.そこで,単純な神経系をもつ線虫C. elegansを用いて,においの濃度によって嗜好性が変化する仕組みを解明する取り組みが行われており,本稿ではその成果について紹介する.

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© 2016 (社)におい・かおり環境協会
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