日本臨床麻酔学会誌
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〔第10回日本医学シミュレーション学会 学術集会〕 特別企画 ─周術期二次救命処置トレーニング(ALS-OP)の必要性─
麻酔関連偶発症例調査の結果から手術室で必要とされる二次救命処置を考える─ALS-OP循環編─
羽場 政法駒澤 伸泰藤原 俊介上嶋 浩順水本 一弘
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2016 年 36 巻 2 号 p. 241-246

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抄録

日本麻酔科学会が行っている麻酔関連偶発症例調査によると手術による大量出血は,死亡原因の上位を占めている.また術中発症の病態として「急性冠症候群」は発症頻度も高く,心停止への移行頻度が高い.二次救命処置講習会で学んだことを実践するには,二次救命処置講習会受講により,適切な知識を得た後,1.手術室の状況に合った患者モデルの使用,2.原因疾患に応じた知識の習得,3.症例に対応するための環境整備の検討,4.メディカルスタッフとのチームコミュニケーションを学ぶ方法が必要である.Problem-based Learning Discussion形式のトレーニングは,それぞれの受講生に応じた知識の体系化が可能であり,ディスカッションを通してチームコミュニケーション(ノンテクニカルスキル)をつくることも期待される.チーム医療を推奨する周術期管理において,これらのPBLD形式のツールが医療安全向上に貢献できるのではないかと考えた.

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© 2016 日本臨床麻酔学会
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