日本臨床麻酔学会誌
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デスフルランの上手な使い方(第2回)
特殊病態や状態下での使用:喘息患者・COPD患者
堤 保夫川西 良典田中 克哉
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2016 年 36 巻 4 号 p. 491-493

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抄録

喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)は,気道の慢性炎症性障害による疾患である.一般に,現在使用されている吸入麻酔薬は,気管拡張作用があると考えられているが,実験モデルや吸入麻酔薬の種類によってその効果は異なる.デスフルランには気道刺激作用があり,また臨床研究においては,高濃度使用時や喫煙者に対して使用した場合に,気道抵抗性を増加させたといった報告が散見される.そのためデスフルランは迅速な覚醒が得られ,術後呼吸器系合併症を軽減する可能性があるものの,気道過敏性の高い患者での使用には注意が必要と思われる.

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© 2016 日本臨床麻酔学会
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