2017 年 37 巻 2 号 p. 275-281
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの腰椎変性疾患や慢性痛に対して,腰椎手術はあらゆる年齢層に対して広く行われている.適切な診断,手術治療により症状が軽減するものが大部分を占める一方で,術後経過の芳しくない脊椎手術後痛症候群(failed back surgery syndrome:FBSS)が存在する.FBSSの原因は多岐にわたり,医療者の努力で防ぐことができるものとできないもの,さらには原因のわからないものが混在する.今回,FBSSに関し,自験例に文献的考察を加え,その原因と対策について検討を行った.