2018 年 38 巻 7 号 p. 849-856
苦痛の少ない内視鏡診療において,鎮静は不可欠である.2013年にEBMに基づいた「内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン」が公表されたが,本ガイドラインは内視鏡診療上,鎮静が必要と考えられた局面において,どのような鎮静法が良いかの指針を示したものである.鎮静時には偶発症として重篤な呼吸抑制をきたす危険性があり,十分なインフォームドコンセントが不可欠であり,さらに偶発症発生時に迅速に対応できる体制をチーム医療として整備しておく必要がある.また,内視鏡医は鎮静・鎮痛薬の特徴ならびに対象とする患者背景や呼吸循環動態の変化に関するリスクを十分に理解し,医療事故防止に努めることが重要である.