2019 年 39 巻 1 号 p. 74-80
院内搬送は一般的な業務であるが,重症患者の搬送であっても搬送要員は少なく,十分な医療機器も携行されずに行われてきた.重症患者における院内搬送の68%に有害事象が起こることが報告され,海外では啓発活動が進められている.安全な院内搬送を徹底することで有害事象を減少させうることが知られるようになってきており,周術期チームはその知識や技術を修得することが理想的である.しかし,わが国ではエビデンスに基づいた院内搬送に関する体系的教育はほとんど行われていない.今後はデータ収集と解析,シミュレーションを組み合わせた実践的な教育プログラムを確立していくことが望まれる.