2019 年 39 巻 3 号 p. 321-325
災害には,代償性災害と非代償性災害がある.通常の緊急業務で対応可能な代償性災害ならば医療継続可能であるが,巨大地震など病院自身も被災し病院機能の低下を伴う非代償性災害では病院へ増加した要求レベルの医療を実施することが困難である.しかし,自組織の災害に対する脆弱性をあらかじめ把握し,行うべき医療レベルを維持するよう準備しておくことは重要である.そのために事業継続計画(BCP)を策定する.それは病院だけでなく医療スタッフ,すなわち組織ばかりでなく個人のBCPを策定しておけば,災害時に有効な行動を可能にする一助になると考えられる.