2019 年 39 巻 4 号 p. 365-370
鎌状赤血球症(sickle cell disease:SCD)の有痛性クリーゼに対する疼痛管理を経験した.症例は33歳,黒人男性.全身痛と発熱を主訴に救急搬送され,SCD有痛性クリーゼと診断,同日入院した.抗菌薬投与と補液による全身管理および強オピオイド投与による疼痛管理を開始したが,疼痛コントロールは不良だった.オピオイドと並行してケタミンとミダゾラムを投与したところ痛みは軽減した.ケタミンはオピオイドと併用することでSCD有痛性クリーゼの痛みを軽減させ,オピオイド投与量を減少させる有用な鎮痛補助薬と成り得る.