2023 年 43 巻 5 号 p. 416-422
外科手術を受けた患者は程度の差はあるが,術後痛を経験する.術後痛は通常,創傷治癒の過程で数日あるいは数週間で自然に軽快する.しかし,患者によっては,術後数カ月から数年にわたり痛みが遷延し“慢性術後痛”という病態になる.WHO国際疾病分類(ICD-11)にも慢性術後痛が病名として掲載された.急性期・亜急性期・慢性期の術後痛のそれぞれの時期への対応を考える必要がある.日本においては術後痛を俯瞰的にとらえたガイドラインはいまだ作成されていない.早急にこの作成を進める必要があると考え,術前から慢性期まで切れ目のない術後痛対策を検討する一助としたいと考えている.ここでは,術後痛に対するガイドライン作成の意義についても述べたい.