抄録
成人開胸手術におけるダブルルーメンチューブの使用状況,合併症などを把握し,より安全な使用方法を検討するために日本麻酔学会指導医認定病院434施設に対して,1987年1年間のダブルルーメンチューブ使用状況に関してのアンケート調査を行った.その結果254施設から回答が得られ,11, 280例の開胸手術のうち3, 392例にダブルルーメンチューブが使用されていた.チューブの位置の確認,虚脱肺への処置などにおいて各施設で統一がみられていない.また,このチューブに由来する外傷などの合併症も見られており,現時点では安易に使用するのではなく適応を慎重に決定し,使用にあたってはブロンコファイバースコープの使用が必須であると思われた.