抄録
Crouzon'sdisease, Apert'ssyndromeなど頭蓋,顔面の高度な奇形,変形を主徴とする疾患に対しては,その再建術としてCraniofacial surgery,すなわち頭蓋,顔面骨に対する広汎な骨切り,骨移植術を主体とする術式が用いられる.
我々も,過去2年間Craniofacial surgeryの麻酔管理56例を経験した.その管理の問題点としては,特有な顔面の奇形や上気道の狭窄に対する麻酔導入,挿管方法の検討,術中,上顎骨の前方移動に伴う経鼻気管内チューブの移動への対策.術中の大量出血(Blood loss/Blood volume,平均92.1%)に対する輸液,輸血管理.術後の呼吸管理など.