日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
二度の開腹手術中に冠動脈スパスムをおこした一症例
三島 誠悟笠井 馨美山本 学鬼頭 幸一藤田 尚内海 潤
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 11 巻 3 号 p. 333-339

詳細
抄録

2回の肝部分切除手術中に,冠動脈スパスムを起こした症例を経験した.46歳の男性で,肝硬変を合併していたが,術前には循環器系の異常はなかった.1回目の手術ではQRS延長から心室細動に陥った.ブビバカイン中毒との鑑別を要したが,冠動脈スパスムと診断された.硬膜外麻酔とドパミンが誘因と考えられた.2回目の手術では,呼吸性アルカローシスがスパスムの誘因となったが,早期治療により,大事には至らなかった.

著者関連情報
© 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top