日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
全身麻酔後の声帯麻痺の一例
浅雄 保宏高田 啓介武部 佐和子前田 正人真嶋 良昭
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 11 巻 5 号 p. 632-635

詳細
抄録

われわれは気管内挿管下の全身麻酔による甲状腺良性腫瘍手術後に手術側の反対側に声帯麻痺をきたした症例を経験した.カフつきチューブの使用,頸部後屈などにより,気管に偏位やねじれが生じ,反回神経との位置関係が変化して左側の反回神経に牽引,圧迫が加わりやすくなって,反回神経の栄養血管の血流障害による神経麻痺をきたしたと考えられた.1ヵ月後には声帯麻痺は完全回復した.

著者関連情報
© 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top