抄録
Rapid sequence inductionに少量のミダゾラムを併用した場合(ミダゾラム0.08mg/kg,サイアミラール4mg/kg)の呼吸循環系への影響を従来の方法(サイアミラール6mg/kg)およびフェンタニール併用群(フェンタニール4μg/kg,サイアミラール4mg/kg)と比較検討した.ミダゾラム併用により挿管操作に伴う血圧,心拍数の変動は抑制され,挿管後の血圧低下を認めず,カテコラミンの分析から交感神経刺激も抑制されたことから,併用薬としての有効性が示唆された.しかしフェンタニール併用群との比較においては,反射性交感神経緊張によると思われる心拍数増加をきたしたことから,心疾患患者などでは注意が必要と思われた.