日本臨床麻酔学会誌
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ミダゾラム注腸による小児麻酔前投薬の検討
石部 裕一有光 正史宇野 洋史辻村 謙二福喜多 邦夫塩川 泰啓末包 慶太
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1993 年 13 巻 2 号 p. 142-146

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抄録

小児に対する前投薬として,ミダゾラム注腸投与の効果を,1~6歳の小児109例を対象とし,投与時間(導入30分前と60分前),投与量(0.2mg/kgと0.4mg/kg)および年齢(1~3歳と4~6歳)に分けて検討した.鎮静スコア1(導入時にマスクを嫌がるもの)を無効,スコア2~4を有効,スコア5を過剰鎮静として評価すると,30分前投与群で,投与量に関係なく,年長児の有効率(92~100%)は年少児(54~58%)に比較して有意に高く,この傾向は投与時間を導入60分前にしても同様であった.以上の結果からミダゾラム0.2~0.4mg/kgの30~60分前注腸投与法は,年少児での有効性は十分でないが,4~6歳の就学前児童の前投薬としては有用な方法と思われた.

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