重炭酸ナトリウムを添加したpH補整メピバカインによる硬膜外麻酔の効果を検討した.婦人科予定手術患者54例を対象とし,L3-4間に挿入留置した硬膜外カテーテルより,2%メピバカイン溶液20ml(A群,27例),または,同溶液20mlに7%重炭酸ナトリウム液2mlを添加し(B群,27例)注入した.知覚,運動神経ブロックの発現時間はB群で有意に短縮した(p<0.005).無痛域の広がりもB群で常に大きく(p<0.005),15分後の無痛域がT5レベルに達した症例数はA群の8例(30%)に対しB群では23例(85%)であった(p<0.01).メピバカイン溶液に重炭酸ナトリウムを添加すると硬膜外麻酔の効果を増強することが示された.