日本臨床麻酔学会誌
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頸部圧迫法での内頸静脈血酸素飽和度連続測定の有用性
下村 啓三宅 聰行高橋 聡尾上 公一松浦 正司新井 豊久
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1993 年 13 巻 3 号 p. 297-300

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抄録
頸部圧迫法は,坐位手術での空気塞栓の予防法として有用であることが報告されてきた.しかし,この方法では,脳血流を減少させ,脳虚血をもたらす可能性がある.そこでわれわれは,頸部圧迫中の内頸静脈血酸素飽和度を内頸静脈圧と一緒に連続測定した.その結果,内頸静脈圧を3mmHg以内に抑えた頸部圧迫では,内頸静脈血酸素飽和度は,安全限界とされる60%以上に維持することができた.坐位手術における頸部圧迫法の安全性を高めるために,内頸静脈圧と内頸静脈血酸素飽和度の連続測定は有用である.
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