日本臨床麻酔学会誌
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全自動電解質分析装置SP-6の評価
中丸 勝人永川 保窪 秀之佐藤根 敏彦伊藤 祐輔
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1994 年 14 巻 1 号 p. 82-88

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抄録

ヘパリン加血液試料測定を基本とした全自動電解質分析装置NOVA社製SP-6を用い,Na+, K+, Ca++, Cl-, glucose, Htについて,直線性,再現性,キャリオーバー率,他機種との相関性,各電極とメンブレンの耐久性,粘稠度・ヘパリン・筋弛緩薬の影響を検討した。
検討内容はいずれも良好な結果を示したが,Htのみが直線関係において傾きのある回帰式を示し,内蔵補正係数からの補正ができなかった。各電極とメンブレンの耐久性はNa+, K+が3ヵ月以上,Ca++が3ヵ月,Cl-とglucoseが約8日間であった。ヘパリン25μl以上の添加量では,Ca++測定値に対して有意な変動を認めた。また,専用洗浄液はglucose電極のメンブレンを劣化させる。さらに,流路に付着する蛋白および細菌などの洗浄に用いる次亜塩素酸ナトリウムはK+電極を使用不能にすることもわかった。
本装置は管理面において若干の改善を要するが,精度については良好な結果を示し,緊急検査などの迅速な測定に優れていると評価した。

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