1994 年 14 巻 10 号 p. 762-770
<研究1>外傷患者(外傷群:336名)のCK, LDH, GOT, GPT値を外傷以外の患者(対照群:406名)と比較した.<研究2>脊椎疾患,脊損患者などのCK値について検討した.
CK, LDH, GOTとも外傷群で有意に高かったが,10,000IU/l以上の症例はなく,多発外傷では単発外傷より高値であった.部位では脊椎,骨盤,胸腹部外傷で高値であった.
脊損患者でCK値が高値であったが,全例1,000IU/l未満であった.以上から,外傷患者では骨格筋逸脱酵素値は高値を示すが,10,000IU/l以上となることはまれであること,脊損患者のCKは軽度の高値を示すことが結論づけられた.