日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
外傷,脊椎疾患,脊髄損傷患者および整形外科疾患患者における術前骨格筋逸脱酵素値,特にクレアチンキナーゼ値の検討
横井 雅一小林 佳郎佐藤 公泰土井 淳武田 純三福島 和昭
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 14 巻 10 号 p. 762-770

詳細
抄録

<研究1>外傷患者(外傷群:336名)のCK, LDH, GOT, GPT値を外傷以外の患者(対照群:406名)と比較した.<研究2>脊椎疾患,脊損患者などのCK値について検討した.
CK, LDH, GOTとも外傷群で有意に高かったが,10,000IU/l以上の症例はなく,多発外傷では単発外傷より高値であった.部位では脊椎,骨盤,胸腹部外傷で高値であった.
脊損患者でCK値が高値であったが,全例1,000IU/l未満であった.以上から,外傷患者では骨格筋逸脱酵素値は高値を示すが,10,000IU/l以上となることはまれであること,脊損患者のCKは軽度の高値を示すことが結論づけられた.

著者関連情報
© 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top