日本臨床麻酔学会誌
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腹部大動脈瘤手術中の腹部大動脈遮断時における 右室系血行動態の変化について
池崎 弘之高木 治大西 佳彦井上 敏畔 政和
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1994 年 14 巻 2 号 p. 115-121

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抄録
腹部大動脈遮断時の末梢血管抵抗の上昇による心機能の抑制に対し,一般的に末梢血管拡張薬の使用が推奨されている。われわれは予定腹部大動脈瘤手術患者10名を対象として血管拡張薬としてニトログリセリン,プロスタグランジンを使用し腎動脈下大動脈遮断時の血行動態の変化を右室駆出率測定用カテーテルを用い比較検討した。プロスタグランジンは末梢血管抵抗を減少させ,大動脈遮断時の血管抵抗の増加,心拍出量の減少を抑え,ニトログリセリンは静脈環流を減少させ,右室の容量を減少させた。大動脈遮断時のモニターとして右室測定用カテーテルは有用と考えられた。
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