日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
肺外科領域における硬膜外持続注入による疼痛管理
山口 重樹渡辺 啓介松本 勉奥田 泰久北島 敏光緒方 博丸
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 15 巻 5 号 p. 409-414

詳細
抄録

肺外科手術後に携帯用持続注入器を用いて,硬膜外腔に局所麻酔薬単独あるいは局所麻酔薬に麻薬拮抗性鎮;痛薬を併用して72時間持続投与し,その有効性を検討した.対象をI群:15例(ブプレノルフィン単独),II群:15例(ブプレノルフィンとブビバカインの併用)に分け,鎮痛の程度,補助鎮痛薬の使用回数および副作用について調べた.結果は,鎮痛の程度は両群間に有意差はなく,両群とも満足のいく鎮痛効果が得られた.また,補助鎮痛薬の投与回数はI群に有意に多かった.そして,副作用は低血圧,上肢の握力低下,軽度の呼吸抑制がII群に認められた.以上により,術前状態が良好でない患者にはブプレノルフィン単独にすべきであると考えられた.

著者関連情報
© 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top